【旬の食材/11月②食べるのは日本だけ!? ヘルシー野菜のゴボウ】

食物繊維が豊富で、ヘルシー食材の代表にあげられるゴボウ。細くささがきにしてシャキシャキとした食感を楽しんだり、おだしを煮含めながら柔らかく炊きあげたり、調理方法によって違った個性を発揮してくれるお野菜です。口に入れると、フワッと素朴な土の香りが広がり、地味ながら存在感もありますよね。

ゴボウの出身地は、中国東北部からヨーロッパにかけて。日本に伝わったのは、縄文時代と言われています。原産地の中国では、野生のものを採取して乾燥させ、漢方薬として使っていたそうで、今でも薬膳スープに使われています。畑で栽培して作物として収穫、野菜として食するのは世界で日本だけなんだそうです。

ところで気になる栄養。ちょっと意外ですが、炭水化物が多いんです。野菜の炭水化物は、消化・吸収されてエネルギー源になる糖質と、消化・吸収されない食物繊維に分けられます。ゴボウの炭水化物は後者、可食部100g中に5.7gの食物繊維を含んでいるのです。この食物繊維には水溶性と不溶性があり、ゴボウはそのいずれもを含んでいるのが大きな特徴なんです。

水溶性食物繊維の特徴

食後の血糖値上昇を緩やかにしたり、コレステロールの吸収を制御したりと大活躍。腸内の有害物質を吸着して、便としてすばやく排出。

不溶性食物繊維の特徴

腸内で水分を吸収して膨らみ、腸の動きを活発にして便秘を解消。特にゴボウの不溶性食物繊維に多く含まれるイヌリンは、糖質の吸収スピードを遅くして血糖値の上昇を緩やかにしてくれるそう。

下ごしらえと調理法のポイントは、独特の香りを損なわずにアク抜きすること。ゴボウのアクは、タンニンなどのフェノール成分。これが空気に触れると酵素のはたらきで黒褐色に変色して、エグミが出てしまいます。酵素は酸によって活性が抑えられ、加熱すると作用がなくなります。以下、ゴボウを料理するときの下ごしらえの方法をあげてみました。

・表皮に良い香りがあるので、剥かずにタワシや包丁の背で軽くこそぐ程度にしましょう。

・切り口が酸化して褐色するので、切ったらすぐ酢水に浸けましょう。

ただし15分以上付けると硬くなり、風味も損なわれるので注意!

・15分以上浸ける場合は、お酢を加えず真水に。

これからの季節、京野菜のひとつ、極太の堀川ゴボウも出回りはじめます。いよいよ根菜が旬を迎えて、ホコホコの煮炊き物も楽しみですよね。

日本の食文化を代表するヘルシーなゴボウ、毎日の食卓に並べたいですね。

【旬を味わうレシピ】

ゴボウのペペロンチーノ

和素材+イタリアンのアレンジで、ワインやビールとも好相性。

土の香りもこうばしく、シャキシャキとした食感に仕上げます。

[材料(4人分)]

ゴボウ 3本

ニンニク 1片

タカノツメ唐辛子 1本

エクストラバージンオリーブオイル 大さじ4

塩 適量

[作り方]

①    ゴボウは土を洗い流してタワシで表面をこすり、5㎝のぶつ切りにする。

②    太い部分はタテ1/4に、細い部分は1/2に切り、太さをそろえて酢水に浸ける。

③    沸騰したお湯に少量の塩を加えて、水切りした②をサッと湯通しする。

④    皮を剥いてスライスしたニンニクとオリーブオイル大さじ3を入れて火にかける。

⑤    ニンニクがキツネ色になったら、タネを取り除いて輪切りにしたタカノツメ唐辛子を加えてサッと加熱し、③を加えて炒める。

※辛めが好みの場合は、タネも加えて辛さを調節する。

⑥    塩を振って味を調えて、火を止めてからオリーブオイル大さじ1を回しかける。

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