【旬の食材/11月③根も葉も丸ごと食べたい、シャキシャキのかぶら】

北から寒気が降りてきて、いよいよ晩秋を実感させる霜月。畑には霜が降りて、山里では干し柿づくりや大根干しなど冬支度に忙しい風景が見られます。

そんな中、京都のお漬けもの屋さんでも、恒例の千枚漬けの仕込みが始まりました。

http://www.sankei.com/west/news/151109/wst1511090028-n1.html

千枚漬けの材料になっている聖護院かぶらは、直径20~30㎝、重さ2~5㎏もあるそうで、日本一の大型種だそうです。ちなみに、スーパーに並ぶ一般的な小かぶは、直径6~8㎝くらい。

ヨーロッパの野生のアブラナを起源とする一変種で、中国を経由して日本に渡来したのは7世紀前後。江戸時代には各地で特産的な栽培品種が生まれ、聖護院かぶらもそのひとつとして今に伝えられています。

他にも、かぶらずしに欠かせない金沢青かぶ、寒さに強い新潟の寄居かぶらなどの白かぶ、上部が赤い島根の津田かぶ、赤かぶ漬けに使われる岐阜の飛騨紅かぶに代表される色かぶなど種類も多数。名物料理や名産品の材料として、各地に根付いているのがおもしろいですね。

いずれも気候が寒くなるほどに甘みを増して、葉も柔らかくなります。小かぶは肉質が柔らかく、大型種は実の詰まった緻密な肉質が特徴です。

丸く肥大した根の部分は、刺激性辛み物質のグルコシノレートを多く含んでいて、生食するとピリッとした辛みが感じられます。この辛み成分は加熱すると肝臓の解毒作用を活性化させ、ガンの抑制効果も期待できるそうです。また、デンプンを分解するアミラーゼも豊富に含み、パンや麺類、ごはんと合わせて食べると消化が進んで胃もたれを予防してくれます。

青々とした葉はカロテンが豊富。免疫力を高めるビタミンCや食物繊維も大量に含み、老化防止やガン予防にも効果的。これからの季節は、風邪の予防にしっかり食べたいですね。

ただし、根の水分は葉っぱから蒸散してしまうので、購入後は葉を根本から切り落として、別々に保存を。霧吹きで表面を湿らせてから、クッキングペーパーなどの紙で包んでラップやポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。根は約1週間、葉は1~2日で使い切りましょう。葉は新鮮なうちにレンジなどで加熱して、小分けにして冷凍。おみそ汁や炒飯の具材にしたり、煮炊き物に添えれば、葉もの野菜が少ない秋冬に重宝しますよ。

【旬を味わうレシピ】

かぶらのナムル

ほのかな甘さとシャキシャキとした食感に、

ゴマの香りを添えたシンプルな韓国風の1品です。

[材料(4人分)]

小かぶ 2~3個

塩 適宜

おろしにんにく ごく少量

ごま油 小さじ1

糸とうがらし 少量

※なければタカノツメ少量

煎り白ごま 小さじ1

[作り方]

①小かぶは皮を剥き薄切りに、葉とクキの柔らかい部分3~4本を刻んで塩をふりかけて軽く揉み込んでおく。

②ボウルにおろしニンニク、ごま油、糸とうがらし(タカノツメを使用する場合は、タネを取り除いて細い輪切りにする)を入れて混ぜる。

③①のかぶと葉がしんなりしてきたら軽く絞って水を切り、②のタレをあえる。

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