突然ですがみなさん、京都の街中に住む人は、7月にはキュウリを食べない、ってご存じですか? その理由、じつは今まさに盛り上がっている祇園祭と関係があるんです。
祇園祭は四条通のドン突きにある八坂神社の祭礼。その八坂神社の紋、五つ木瓜がキュウリの切り口と似ているんです。朱い提灯のご紋です。
これです。ほら、キュウリの断面に似てるでしょ。
というワケで、祇園祭を開催している7月は、八坂神社に敬意を払って「キュウリを食べたらアカン!」とキュウリ絶ちするようになったそう。
とは言え、露地物のおいしいキュウリが出回るのは今、まさに祇園祭のころから2ヶ月ほど。京都の人がこのおいしいものを見逃すワケがなく、タテに切ったり中心を繰り抜いたり、切り方を工夫して“キュウリじゃない”ことにして食
していたそうです。なるほど、飾り切りにも今この時期だけという形があるのが、京都ならではでおもしろいですね。
写真は去年の夏の「おばんざいレッスン」でお伝えした、キュウリの飾り切り。 芯の部分を繰り抜いたキュウリをクサリのようにつなげて、“八坂神社のご紋とは違いますよ~”の形に仕立てたものです。
ちなみに緑が濃く、ツルリとしてイボイボの少ない、おなじみの「白イボキュウリ」は夏から秋にかけてが旬。これとは別に薄緑色で果肉が少なく柔らかな「白キュウリ」は、お漬物として食されることが多い京野菜のひとつです。 暑い日にはカラダの熱を冷ます効果もある、と言われているウリ類の中でも、もっとも気軽に食べられるキュウリ。暑さを増す7月も、飾り切りの工夫でいっぱい食べて、夏を元気に乗り切りましょう!
夏野菜のむらさき
暑くて食欲のない日にも、シャキシャキとした食感とあっさりした味わいで食べやすい1品。酸味が欲しいときは、ポン酢や三杯酢で仕上げてもおいしいですよ。
・材料[4人分]
キュウリ 2本 みょうが 4個
ナス 1本 大葉 4枚
ショウガ 適宜 濃口しょうゆ 適宜
・作り方
①キュウリ、ナスを薄切りに、みょうがは斜め薄切りに、大葉とショウガは千切りにする。
②切った材料をボウルに入れて、少量の濃口しょうゆを回しかけて混ぜる。
③濃口しょうゆが馴染んだら材料を両手に取り、ギュッと絞る。
④器に盛り、濃口しょうゆをサッと回しかける。