先週から6月に入り、暦の上では夏となりました。
そしてちょうど6月からは、枝豆が旬。ビールのおつまみに食される方も多いことでしょう。
今日はそんな枝豆の歴史をご紹介します。
そもそも枝豆とは、大豆が完全に熟す前の柔らかい状態の豆のことです。
大豆の原産は中国で、紀元前2000年以前から中国のかなり広い範囲で栽培されていたと言われています。そしてそれが朝鮮半島や東南アジアにも伝わり、日本へと伝来したのは紀元前後、約2000年前の弥生時代だそうです。
さらに奈良時代になると、遣唐使など中国との交流が盛んになり、仏教とともに味噌や醤油など大豆を使った加工食品や、その製法も一緒に日本に入ってきたようです。驚くべきことに、奈良時代に書かれた日本最古の歴史書『古事記』にも大豆は登場しているそうです。
しかしながら当時は大豆は特別な食物だったようで、多くの庶民には無縁のものだったようです。
大豆が現在のように「枝豆」として食べられるようになったのは平安時代。とは言え、まだまだ広くは食べられておらず、大豆自体が本格的に食べられるようになったのは鎌倉時代以降のようです。鎌倉時代には各地に仏教が広まっており、肉食が禁止されるようになっていたので、武士や農民の栄養食や保存食として大豆は重宝されたようです。
そして江戸時代になってやっと、枝豆として食べられることが一般庶民にも広まったそうです。道端には「枝豆売り」という人々が出て、枝つきのままゆでた枝豆が売られていたとか。人々はそれを買うと、道を歩きながら枝豆をちぎっては食べていたそうです。いわゆる「食べ歩き」ですね。
言わば枝豆は、江戸時代のファストフードだったのでしょうね。
枝豆には夏に不足しがちなたんぱく質や、悪玉コレステロールを減らすイソフラボン、免疫力アップや美容に効くビタミン類、おなかの調子を整える食物繊維が豊富に含まれていますので、おすすめです!
ただし、江戸時代のように街中で食べ歩きをするのはご遠慮くださいね!