野菜売場に年中並んでいるので、冬が旬と言われてもピンとこないネギ。万能ネギやワケギなどの定番に加えて、関東の下仁田ネギや関西の岩津ネギなど、12月に入ってようやく市場に出回る季節限定品も少なくありません。また、霜が降りると糖度が上がり、やわらかくおいしくなることからも、やはり今からの季節がいちばんの食べごろ。旬まっ盛りと言えます。
ネギの起源は中央アジア、中国西部からシベリアあたりにかけて。乾燥した、冬の寒さが厳しい地域ですね。日本には7世紀前後に渡ってきたようです。「浅葱(あさぎ)色」や「萌葱(もえぎ)色」など日本の伝統色を表する言葉にも使われているとおり、生活に密着した野菜として古くから浸透していたんですね。
ちなみに「浅葱色」は新撰組が来ていたダンダラ羽織の青色のこと。葱の濃い緑色とは、ちょっと趣が違いますね(笑)。
「ネギを食べたら風邪をひかない」とか「賢くなる」とか言われているネギ。「賢くなる」の真偽は定かではないですが、万能ネギなど関西で主流の葉ネギには、カロテンとビタミンCが豊富に含まれていて、風邪の予防にはぴったり。刺激的な香りのもとになっている成分、硫化アリルは血液を固まりにくくして血液サラサラ効果も発揮。血圧の上昇も抑えて、生活習慣病も予防してくれるんです。また殺菌効果もあることから、傷みの早い青魚の刺身に添えられることも。
さらに硫化アリルは、人の体内でアスピリンと同じ鎮痛・解熱作用を発揮することも判明。発熱やノドの痛みなど、風邪の諸症状を緩和してくれる効果も期待できそう。
なるほど、風邪予防にネギ。風邪をひいてもネギ。
寒さが増してくるこれからの季節、毎日食べたい野菜というワケですね。
そう言えばネギのことを「薬味」と言うのも、まさにネギの特徴を表してのことかも!?
白ネギのマリネ
ネギをゆでて漬け汁に浸しておくだけ、という簡単な野菜料理。
ビールや白ワインにもぴったり!!だから常備菜にぜひ。
[材料]
白ネギ 2本
塩 小さじ1
レモン汁 1個分
レモンの皮 適宜
オリーブオイル 適宜
[作り方]
① ネギはサッと洗って汚れを落として、白い部分を4~5㎝のぶつ切りにする。
② 鍋にネギが浸るくらいのお湯を沸かし、塩を入れてネギをゆでる。
③ ネギに火が通ったら密閉容器に移し、ネギを平らに並べる。
④ レモン汁を上から回しかけ、ネギがゆで汁にギリギリ浸るようにする。
⑤ ゆで汁を味見して、味が薄ければ塩を加えて調味する。
⑥ オリーブオイルを回しかけ、レモンの皮をおろし金ですりおろして振りかける。
⑦ 粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて半日以上寝かせる。
※好みでピンクペッパーやセルフィーユなどを加えても良い。