冬場の葉物野菜のなかでも、無くてはならないのが春菊。名前のとおりキク科キク属の本葉で、濃い緑色で独特の香りが特徴的です。関西では「菊菜」と呼びます。
関東で主流の中葉品種は、太い茎に細かな切れ込みがあり香りがひときわ強い個性派。関西では茎が細く長い葉の中葉品種が多く、かつては根付きの株ごと流通していました。
見た目の通りカロテンの含有量が豊富で、なんとホウレンソウより多い100gあたり5300μg。優等生の小松菜2800μgと比べても、ダントツの多さです。カロテンは体内でビタミンAに変化して、粘膜を丈夫にして抵抗力を高めてくれるから、風邪予防にも威力を発揮。糖質やタンパク質を有効利用するために必要なビタミンB群も豊富だから、ダイエッターにも必食です。
さらに、あの独特の香りは、胃もたれを和らげたり、消化不良を改善する成分だそうで、忘新年会シーズンにもピッタリの野菜と言えます。
ただし、加熱し過ぎると栄養が壊れてしまうので、サッと火通しするのがポイント。
鍋物に入れるときは生のまま、お浸しや和え物にするときは、熱湯に潜らすくらいで引きあげるようにするのがおすすめです。
せっかく豊富なビタミン類も、収穫後は急激に減少していくので、できるだけ新鮮なものを早く食べ切ってください。もしも使い残すなら、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーに包んでビニール袋で覆って、冷蔵庫の野菜室でタテ置きにしましょう。とは言え、2~3日で食べきるのが理想。
鍋物に入れて少量残った場合は、めんつゆなどでサッと火通しして、卵とじにしてもおいしいですよ。
春菊の豆腐あえサラダ
香りの良い葉を生のまま、豆腐ドレッシングであえます。
シャキシャキとした歯ごたえと、青苦い香りを楽しんでください。
[材料(4人分)]
春菊 1束
絹ごし豆腐 1/2丁
マヨネーズ 大さじ3
練りゴマ 大さじ2
薄口しょうゆ 小さじ1
塩 少々
[作り方]
① 春菊は水洗いして葉をクキからちぎり取り、食べやすい大きさに切る。
② 絹ごし豆腐を水切りしてボウルに入れてフォークで細かくつぶし、練りゴマとマヨネーズ、薄口しょうゆを入れてよく混ぜる。
③ しっかりと水切りした①を②に入れて全体を混ぜてあえ、塩で味を調える。