原産地の中国から、江戸時代に渡来してきたキンカン。ミカンと同じ柑橘属と思われがちですが、じつはキンカン属に分類されるのをご存じですか?
小さな果実は皮つきのまま丸ごと、パクッと食べてしまえる手軽なフルーツ。
11月下旬からハウス栽培ものが出回り、1月に向けて露地物に切り替わり、収穫の最盛期は1月中旬ごろ。そろそろスーパーにも、露地物が並ぶころですね。中国では通年食べられる糖蜜漬けにして保存。セキやノドの痛みを抑える漢方薬としても用いられているそうです。
栄養的にはミカンと同じくビタミンCがたっぷり。特に外皮にたくさん含まれているから、これからの季節の風邪予防にはぴったり。ほかにも毛細血管を強くし、血流を良くするヘスペリジンを豊富に含み、この成分は抗アレルギー作用も期待できるそうです。動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立つビタミンEもたくさん含まれているんです。
選ぶときには粒が大きく表皮ツヤツヤとしたハリがあって、濃いオレンジ色のものを。また、ヘタの切り口が枯れていないかを見て、鮮度をチェックして。
保存は常温で1週間くらいは大丈夫ですが、それ以上になる場合はビニール袋などに入れて乾燥を防いで冷蔵庫の野菜室へ。2週間くらいは日持ちしますが、新鮮なものほど栄養価が高いので、早めに食べきることをおすすめします。
キンカンの甘露煮
皮ごとを糖蜜で煮て、みりんでツヤ良く仕上げ。
和風の“コンフィ”として、おせち料理の箸休めにも。
[材料]
キンカン 20粒くらい
砂糖 適宜
みりん 適宜
水 適宜
[作り方]
① キンカンの表面を楊枝などで突いて穴をあける。
② 鍋にお湯を沸騰させ、①を入れてゆでこぼす。
③ 鍋に水と砂糖を入れて火にかけ、沸騰したらゆでこぼしたキンカンを入れてトロ火で10分ほど炊き、みりんを加えて強火でアルコールを飛ばす。
④ 煮汁に付けたまま保存する。