今の季節、雨上がりの晴れた日に山道を歩けば、そこかしこで大小のキノコを目にします。中には、見るからに危なげな毒々しい色をしたものから、そばを通るだけで芳ばしい香りを漂わせるものまで、さまざまな種類があります。
スーパーの野菜売場に並ぶキノコは、温度と湿度を一定に管理した清潔な室内で栽培されている、いわば季節のない野菜。それでも秋と言えばキノコ料理となるのは、私たち日本人が食に対して季節感を大切にしていることの表れではないでしょうか。
と言うわけで、秋風が心地よい今の季節は、やっぱりキノコです。
キノコがローカロリーなのは周知のこと。でも、だからと言って栄養がないワケではありません。じつはキノコには炭水化物も含まれています。ちなみに、カロリーで表するなら、
エノキ=22kcal
エリンギ=24kcal
マツタケ=23kcal
参考:レタス=12kcal
※いずれもか可食部100gあたり
と意外に低くないです。
それでもキノコがダイエタリーフードとして注目されるのは、炭水化物の中に食物繊維を多く含んでいるからなんです。さらに、この食物繊維は、腸内環境を整えてくれる不溶性食物繊維だから、しっかり食べれば美肌効果も期待できそう。
ほかにもガン予防に効果的と言われるレンチナンやβ-グルカンなどの多糖類、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDも豊富に含んでいます。キノコ嫌いな子どもは少なくありませんが、成長期の子どもたちにこそ食べて欲しい食材ですよね。
さて、冒頭で季節感がないと言ったキノコ。じつはおなじみのシイタケ、春に仕込んだシイタケ菌が夏を越して、はじめて自然発生して出回るのが今の季節。初物と呼ばれて、ひときわ香り高くうまみも濃厚なんです。
だから、今の季節に買うならぜひ、「原木しいたけ」の表示があるものを選んでくださいね!
「シイタケ肉詰め」
シイタケの味と香り、ジュワッと染み出すエキスを丸ごと。
甘からしょうゆで仕上げて、ごはんのおかずにも、お酒のアテにもぴったりです。
[材料(4人分)]
シイタケ(原木栽培) 8~12枚
牛ひき肉 200g
小麦粉 少量
塩 少量
みりん 適宜
濃口しょうゆ 適宜
[作り方]
① シイタケの軸を切り落とし、カサの白い方に塩を振り、茶こしなどで小麦粉を振りかける。
② 小麦粉を振った上に、牛ひき肉を押しつけるようにして盛り込む。
③ 熱したフライパンに少量のサラダ油(分量外)をしき、シイタケを肉の方から焼く。
④ 肉に火が通ったらひっくり返して、カサの表面を焼く。
⑤ 両面に火が通ったら、再度、ひっくり返して、みりんを注ぎ入れて強火にする。
⑥ みりんが沸騰して大きな泡を立てたら、濃口しょうゆを足して、肉の表面にからめるようにして煮詰める。
⑦ 皿に盛り、照り焼きタレを表面にかける。