【京都のお話】牛乳と京都の長い関係

酪豆腐の「酪」は、酪農の「酪」。つまり牛乳のことなんですね。

京おばんざいなのに牛乳!?と、ちょっと驚かれるかもしれませんが、意外に京都と牛乳は長いご縁があるんですよ。
日本に牛乳が伝えられたのは飛鳥時代。
百済からの帰化人が、時の孝徳天皇に献上した牛乳の加工品「蘇」を大変に気に入られたとの記録が残っています。
その後、冷泉天皇の時代、京都に乳牛院(つまり天皇の御用牧場)がつくられ、搾りたての牛乳が天皇に献上されていたそうです。

乳牛院のあった場所は「右近馬場の西」だそうで、今の北野天満宮の南辺りでしょうか。
そこから今出川通を経て、京都御所まで運び込まれていたのかな?
と言うことは、搾りたて30分後くらいのおいしい牛乳を飲んでいたのかな? などとアレコレ想像を膨らませてみたりして(笑)。

ところでこの「酪」の字。
かつては牛乳を煮たものを指したそうで、それをさらに煮詰めたものが「蘇」、発酵させたものを「醍醐」と呼んだとか。
酪=ミルクのスープ、蘇=練乳、醍醐=チーズ。
そんな感じでしょうか。

今月前半のレッスンでお教えしている「酪豆腐」は、本来は牛乳に葛粉を加えて温め、冷やし固めたものです。
でもすまやでは、ヘルシーに食べてもらえるよう豆乳で仕立てるレシピにしました。
煎りゴマをたっぷり加えて、口に入れるとトロリなめらかにとろけ、粒々のゴマがほどけて、香ばしさが広がります。 ジメジメと蒸し暑い梅雨の雨降りの日にも、スルリと食べられるおいしい一品です。

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