※お写真は前回に作ったものです。
◎松花堂弁当 と 瓜のくず汁
10月と言えば実りの秋。また、行楽にぴったりの季節でもあります。
今月はいつもとは少し趣向を変えて、お弁当作りをしましょう!
今回挑戦するお弁当は、有名な「松花堂弁当」。
秋の食材をたっぷり使った内容にする予定ですが、お弁当の内容は当日までお楽しみです!
そもそも松花堂弁当とは、京都府南部の八幡市にあって、昨年国宝にも指定された石清水八幡宮ゆかりのお弁当です。
その社の座する男山のお寺、瀧本坊(現存せず)の住職を務めた松花堂昭乗の名を冠したお弁当が松花堂弁当ということになります。
※かつては神社と寺院がごちゃ混ぜになっていたため、石清水八幡宮のある男山内にはお寺もあり、社寺の間では交流もあったそうです。
昭乗は寛永(17世紀前半頃)の三筆と呼ばれ、仏道にありながら当時指折りの文化人でもありました。
そんな彼が好んだ四つ切箱が、松花堂弁当の器のルーツだと言われています。もとは農家の種入れとして使われていた、箱の内側を十字に仕切った器から着想を得て、昭乗は茶会で使用する煙草盆や絵の具箱として使用したようです。
その四つ切箱をお弁当にも利用することで、ごはんやおかずを仕切り、味が混ざらず見た目も美しいままに食べることができます。
それを考案したのが日本料理「吉兆」の創業者・湯木貞一であり、昭和初期のことでした。
湯木氏は昭乗に敬意を表し、お弁当の名前に「松花堂」という文言を入れたそうです。
その後、松花堂弁当の機能性と美しさは瞬く間に全国に広がり、四つ切箱を使ったスタイルのお弁当が広く松花堂弁当と呼ばれるようになっていきました。
今となっては日本で最も有名なお弁当の一つと言えることでしょう。
そんな歴史ある松花堂弁当作り、ぜひ挑戦してみませんか?