【雑学④/”懐石料理”と”会席料理”の違い】

懐石料理会席料理、音だけ聞けばどちらも「カイセキリョウリ」で同じす。双方とも”格式高い””豪華”な和食といったイメージがあり、「同じものなの? 違いはあるの?」と思ったことのある方も多いのではないでしょうか。
大手のグルメ検索サイトでも、カテゴリは”懐石料理・会席料理”といった具合になっており、混同されがちです。

まず、2つの違いを簡単に言ってしまえば、
懐石料理」=お茶を楽しむためのもの(茶会の質素な食事)
「会席料理」=お酒を楽しむためのもの(宴会の豪華な料理)
ということに尽きます。
詳細は以下にて。
 
◎懐石料理
「懐石」は、訓読みすれば「ふところのいし」です。
なぜ”ふところのいし”が料理の名前になったかというと、かつて禅寺の修行僧が、空腹や寒さをしのぐため火で加熱し温めた石や蒟蒻を布に包み、懐に入れて暖房具としていたものを懐石と言っていたことに由来します。そうした僧侶の風習から、禅家では隠語で夜食のことを「懐石」と呼ぶようになったそうです。
そこから転じて、おの席で出す一時の空腹しのぎ程度の軽い料理、客人をもてなす料理の事を指して「懐石料理」と言うようになりました。
献立は、いわゆる一汁二菜(三菜のこともある)の簡素なものになります。
また、「会席料理」との混同を避けるため「茶懐石」といった呼称がつかわれる場合もあります。
ちなみに、懐石を弁当にしたものは点心と呼ばれます。
 
◎会席料理
「会席」とは、寄り合いの席や宴会のことを言い(会合の席、ということですね)、そこは連歌や俳諧の席であり、同時に食事を楽しむのが一般的でした。
器や膳の形式に決まりはなく、比較的豪華な料理が出されます。献立はその席によって色々ですが、大抵は一汁三菜吸い物刺身焼き物煮物)を基本に、お通し揚げ物蒸し物和え物酢の物などお酒に合う料理が加えられ、最後にごはん、味噌汁香の物水菓子となります。
会席では、最初の膳には酒の肴が供され、箸の上に酒盃が伏せられています。つまり箸をとる前にお酒を受けるのが作法であり、会席料理メインはお酒だということです。
ちなみに、室町時代に始まった日本料理の中で最も本格的なもてなしの料理である本膳料理に次いで、正統な料理形式とされています
 
 
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