【雑学③/”御”がたくさん?「御御御付け(おみおつけ)」の由来】

最近では耳にすることの減った「おみおつけ」(江戸っ子の方はまだよく使うそうです)。ごはんに添える汁ものを指して言う言葉で、もっぱらお味噌汁のことを示します。

漢字にすると「御御御付け」と書き、”御”がやたらと多いです。
本日の雑学は、なぜおみおつけは漢字で書くと”御”がたくさんなのか、というお話です。
 
 
そもそもおみおつけという言葉は、室町時代の京都の宮中に仕えた女房たちの間で生まれた女房言葉だったと言われます。
女房たちの暮らしは宮中でのことが中心でしたから、発生する言葉はおのずと衣食住に関係したものが多くなりました。言葉の頭に”御(お)”を付けて丁寧に言う「おかず」「おから」「おにぎり」等や、語尾に「もじ」を付けて婉曲表現にする「しゃもじ」などは現代にも残り、その代表と言えます。
 
さて、ではおみおつけという言葉の構造はどうなっているのかと言いますと、まず「付け(つけ)」という言葉がありました。これがごはんに添えるもの・付け合わせるものを指し、特に味噌汁などの汁もの・椀ものを指しました。これに女房言葉の「御(お)」が付いて、宮中では丁寧な表現として「御付け(おつけ)」という形で用いられました。
 
では残りの接頭語の「御御(おみ)」は何なのか。これには諸説あり、主な説は以下の2つです。
 
①尊敬の接頭語「御御(おみ)」でさらに丁寧に表現した。
②味噌の女房言葉「御味(おみ)」で「御味御付け(おみおつけ)」だったのが、接頭語「御御(おみ)」と混同された結果。
 
ただし、日本語の中に”御”が3つ重なる言葉というのはおみおつけの他に存在しないらしく、おみおつけが主に味噌汁を指して言うということからも、②の方が有力に思われますね。

 

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