【旬の食材/10月①甘くてホクホクの栗、 ナッツとフルーツのええとこ取り!? 】

実りの季節、収穫に忙しい里山から届く秋の味覚を代表する栗。すまや京おばんざい教室に近い錦市場の八百屋さんにも今、大粒ツヤツヤの栗が山盛りに並べられています。丹波ささやまJAによれば、今年も昨年に続き豊作とのこと。今まさに収穫の最盛期とのことです。

栗は大別すると日本の在来種、天津甘栗に代表される中国種、モンブランやマロングラッセに使われている西洋種があります。日本のクリは、縄文時代から大切な食物資源として食されてきたそうで、当時は自生する柴栗(シバグリ)をゆでて食していたそうです。

野生種から選抜した大果を栽培し、少しずつ大粒に改良したものが、今、市場に流通している日本の栗。大きくてホクホクしていて、やさしい甘さが広がる、みんなが大好きなおなじみの味です。

さらに栗の甘みを増すには、冷温保管がおすすめ。スーパーや八百屋さんで買ってきたら、冷凍庫でひと晩、寝かせてから皮むきを。ただし、冷気に当たると水分蒸散してしまうので、ビニール袋などで密閉してから冷凍庫に入れるようにしてください。

ところで、栗は木の実。栄養的にはビタミンE、鉄分やマンガン、亜鉛など体を元気にしてくれる成分を豊富に含んで、まさにナッツそのもの。一方で美肌効果のあるビタミンCや疲労回復を促進するカリウム、食物繊維も豊富なところはフルーツのようで、ビタミンCをデンプンが包んで加熱しても壊れない点はイモ類のようでもあり・・・。なるほど、ナッツにしてフルーツ的なところもありイモの個性も有するんです。

ちなみに、鬼皮と実の間、毛羽だった濃い茶色の渋皮には、抗酸化作用を持つポリフェノールを多量に含んで、アンチエイジング効果も期待できそう。

生栗の出回るのは10月いっぱい。晩成のものでも11月上旬には終わってしまいます。短い旬を楽しみに、しっかりおいしく食べてくださいね。

 

鶏と渋皮栗の煮物

じっくり煮込んだ鶏のコクが、ホクホクとした栗にからまって、
ジワッと浸みるおいしさに仕上がる煮物です。

[材料(4人分)]

鶏モモ肉 2本

クリ(殻付き) 12個

重曹 小さじ2

日本酒 100cc

みりん 100cc

薄口しょうゆ 大さじ3

砂糖 適宜

塩 適宜

[作り方]

①    クリを軽く水洗いし、水に浸けてひと晩置いてから鬼皮(外殻)をむく。

②    鍋に水と重曹小さじ1、①の渋皮のつけたままのクリを入れて火にかける。沸騰しはじめたら弱火にして10分ほどゆででザルにあげ、ボウルに入れて流水にさらし、たわしなどでこすって渋皮の繊維を取り除く。

③    再度、鍋に水と重曹小さじ1、②のクリを水切りして入れ、火にかけ沸騰したら弱火にして10分ほどゆでてザルにあげてボウルにいれ、流水にさらす。渋皮の繊維が残っていたら、爪楊枝などを使い取り除く。

④    ザルにあげて水切りした③を鍋に入れ、水を注いで火にかけ、沸騰したら弱火で10分ほどゆでてザルにあけ、ボウルに入れて流水にさらす。

⑤    鶏肉を適当な大きさに切り、軽く塩をして10分ほど置き、流水で洗ってペーパーで水気を切る。

⑥    鍋を火にかけて熱し、サラダ油(分量外)を敷いて⑤の皮目を焼く。皮がキツネ色になったらひっくり返して日本酒と水(分量外)を加えて煮立ったら④を加えて30分ほどコトコト煮込む。

⑦    ⑥にみりん、薄口しょうゆを加えて煮汁をからめるようにしながら煮詰める。器に盛り、煮詰めた煮汁を全体に回しかける。

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