【旬の味覚/8月②栄養満点 夏野菜の優等生「オクラ」】

シュッとした姿に鮮やかなグリーンの、おなじみオクラ。6~8月に収穫の盛りを迎える夏野菜の代表として、食卓でもおなじみですよね。サッとゆでておかか和えにしたり、煮炊き物に添えたりと、どこか和風なイメージが定着している緑黄色野菜。



ところがこのオクラ、生まれ故郷はアフリカ東北部のナイル川流域。2000年前にはすでにエジプトで栽培、食されていたとの記録が残っています。今でもエジプトで日常食として親しまれているオクラシチューの「バーミヤ」とは、現地の言葉で「オクラ」のこと。ちなみに、私たちが呼んでいる「オクラ」は英語名で、西アフリカで「ンマクラ」よ呼ばれていたことに由来するそうです。日本に渡ってきたのは江戸時代末期。でも、残念ながらその時は食用としては普及せず、観賞用の草花として栽培されていました。なるほど、ちょっとムクゲの花に似て、淡い色彩の大きな花弁が華やかですよね。その後、明治期に若青い実を食べるようになり、本格的に流通されるようになったのは1970年代のこと。日常の食卓では、まだまだ新参者ということなんです。


 

余談ですがこのオクラの花、花弁もネバネバなんです。最近はエディブルフラワー(食用花)として、料理屋さんの一品に添えられていることもあります。

 

さてさてオクラの栄養について。

 

いちばんの“個性”と言えるネバネバは、ガラクタン、アラバン、ペクチンといった食物繊維。なかでもペクチンは、整腸作用を促してコレストロールを排出する成分で、便秘を防ぎ大腸ガンを予防する効果があると言われています。

 

また濃い緑の見た目通り、βカロテンを豊富に含有。その量はなんと!?レタスの3倍以上も含まれているんです。βカロテンと言えば、抗発ガン作用や免疫賦活作用で知られていますが、体内でビタミンAに変換。髪の健康維持や視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、喉や肺など呼吸器系統を守る働きもあると言われています。

 

さらに、血圧抑制や疲労回復効果も期待できる夏に必須のカリウム、骨を丈夫にしてイライラの解消にも効果のあるカルシウムも豊富に含んでいます。

 

と言うワケで、すごいぞ!オクラ。

夏の盛りに食べるべき、優等生の野菜なのです。


オクラとトマトの冷たいおひたし

シャキシャキネバネバのオクラに、うまみ濃厚なミディトマトを組み合わせ。

グリラーやトースターで表面を軽く焼いて、予熱が残るうちにダシに浸すかんたんレシピ。

冷蔵庫でひんやりと冷やして、箸休めの1品にするのもおすすめです。

加熱しすぎると壊れてしまうオクラのネバネバ成分。

サッと火を通して仕上げるのがポイントです。

 

[材料(4人分)]

オクラ 12本

ミディトマト 4個

めんつゆ 適宜

米酢 少量

柚子こしょう 適宜

 

[作り方]

①ミディトマトのヘタの部分にフォークをさして、コンロで表面を軽く炙って皮をむき、1/4に切ってヘタを切り落とす。

②オクラのヘタを落とし、ガクの部分を削ぎ、表面に塩をこすって産毛を落とす。

③サッと水洗いした①をタテ半割にして、熱したグリラーやオーブントースターで焼く。

④めんつゆに少量の米酢と柚子こしょうを加えてよく混ぜる。

⑤①のミディトマトと焼きあがったオクラを熱いうちに③に浸け、オクラの粗熱が取れたら冷蔵庫に半日ほど置いて味を浸透させる。


お知らせ

今月の「おばんざいコース」レッスンでは、オクラを使った汁物の「モズクとオクラの夏みそ汁」をお教えしています。

 

夏野菜たっぷりのお献立で、まだまだ続く酷暑を乗り切りましょう!

 

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